LibreOffice

LibreOfficeとは

LibreOfficeは、The Document Foundationによって開発された無料のオープンソースのオフィス生産性スイートです。Microsoft Officeなどの商用オフィスソフトウェアの主要な代替品として広く認識されており、文書、スプレッドシート、プレゼンテーション、データベースなどの作成、編集、管理のための包括的なツールセットを提供しています。グローバルな利用者に向けて設計され、オープンな協力とコミュニティ主導の開発原則に基づいて構築されています。LibreOfficeは完全に無料でダウンロードして使用でき、そのソースコードはMozilla Public License (MPL)の条件下で誰でも調査、修正、再配布できるようオープンに公開されています。

主要アプリケーション

このスイートには、様々な生産性ニーズに対応した以下のコアアプリケーションが含まれています。

Writer：ワードプロセッシングアプリケーションで、シンプルなテキスト文書から複雑なレポート、書籍、学術論文まで作成できます。高度な書式設定オプション、スタイル、目次、参考文献、脚注をサポートし、スペルチェック、文法チェック、オートコンプリート機能も備えています。PDFやEPUBなど複数の形式でエクスポートできます。

Calc：スプレッドシートコンポーネントで、データ分析と可視化のツールを提供します。数学、統計、財務、論理演算のための500以上の組み込み関数を持ち、基本的なデータ入力から高度な財務モデリングまで対応します。ピボットテーブル、条件付き書式、グラフ作成、外部ソースからのデータインポートなどの機能があります。

Impress：マルチメディアプレゼンテーション作成に使用されます。スライド遷移、アニメーション、マルチメディア（音声や動画）の埋め込み、発表者ノートをサポートしています。プロフェッショナルな見栄えのスライドショーを作成するためのテンプレートやデザインツールも含まれています。

Draw：ベクターグラフィックスと図表作成に特化したアプリケーションです。フローチャート、組織図、技術図面、ポスターなどのグラフィックコンテンツを作成できます。複雑なデザインのためのレイヤーをサポートし、2Dと3Dオブジェクトの両方を扱えます。

Base：データベース管理ツールで、データベースの作成、データ入力や分析のためのフォームやレポートの設計、MySQLやPostgreSQLなどの外部データベースへの接続が可能です。リレーショナルデータベースとフラットファイルストレージの両方をサポートしています。

Math：数式エディタで、シンプルなマークアップ言語やグラフィカルインターフェースを使用して数学方程式や科学式を書くことができます。これらの数式は他のLibreOffice文書に埋め込むことができます。

利点

• 多様な形式ファイルに対応可能

LibreOfficeのネイティブファイル形式は、長期的なアクセシビリティと相互運用性を目的として設計されたオープン標準のOpen Document Format (ODF)です。しかし、DOCX、XLSX、PPTXなどのMicrosoft Office形式や、DOCやXLSなどの旧形式を含む、オープンおよび独自の幅広いファイル形式もサポートしています。これにより、LibreOfficeを使用していない他のユーザーとも簡単に協力作業ができます。

• 様々なオペレーティングシステム(OS)上で動作

LibreOfficeの主な利点の1つは、クロスプラットフォーム互換性です。Windows（古いバージョンを含む）、macOS、Linux（UbuntuやFedoraなど）、さらにはFreeBSDなどの主要なオペレーティングシステムで動作します。デスクトップ版に加えて、ブラウザインターフェースを通じて文書を共同で作業できるLibreOffice Onlineというウェブベースのバージョンもあります。

歴史

LibreOfficeの開発の歴史は、1980年代のStarOfficeにまで遡ります。1999年にサン・マイクロシステムズがStarOfficeを買収し、2000年にOpenOffice.orgという名前でオープンソースプロジェクトとしてリリースしたことで、広く普及しました。しかし、2010年にオラクルがサン・マイクロシステムズを買収した際、オラクルのオープンソース原則への取り組みに対する懸念から、OpenOffice.orgコミュニティのメンバーがプロジェクトをフォークし、LibreOfficeが誕生しました。その直後、The Document Foundationが設立され、単一の企業から独立してLibreOfficeの開発を監督することになりました。

2010年の発足以来、LibreOfficeは世界中の開発者による貢献を通じて継続的に改良が進められています。このソフトウェアは、プログラマー、デザイナー、翻訳者、テスター、ドキュメント作成者、そしてフィードバックを提供するエンドユーザーを含む活発なコミュニティによって支えられています。

まとめ

LibreOfficeは、ベンダーロックインを回避することでユーザーの自由を重視しており、特定のソフトウェアエコシステムや独自形式に縛られることがありません。この哲学は、デジタル権利やオープン標準を推進する広範な運動と一致しています。また、LibreOfficeは、NextcloudやownCloudなどのクラウドストレージサービスを拡張機能やサードパーティ統合を通じてサポートすることで、現代のワークフローにも適応しています。さらに、LibreOfficeは拡張機能を通じて幅広いカスタマイズオプションを提供し、その機能を拡張したり、特定のユーザーのニーズに合わせて調整したりすることが可能です。

総じて、LibreOfficeは機能が豊富でありながら、誰もが利用しやすいオフィススイートとして際立っています。個人や組織に対して、金銭的コストや制限的なライセンス契約を課すことなく、生産性向上のためのツールを提供しています。オープン性への取り組みにより、ユーザーは自身のデータを完全に管理しつつ、世界中の貢献者によって協力して開発された最先端の生産性ツールの恩恵を受けることができます。