Apache CloudStack JA
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Apache CloudStackの概要
Apache CloudStackは、オープンソースのIaaS(Infrastructure as a Service)構築基盤ソフトウェアで、バーチャルマシン上で大規模なネットワークを展開・管理することができます。可用性やスケーラビリティに優れており、クラウドコンピューティングによってIaaSを実現します。
歴史と開発
Apache CloudStackは、もともとCloud.com社の商用プロダクトでした。その後、Citrix社が買収し、オープンソース化され、2012年にApache Software Foundation(ASF)に寄贈されました。2013年3月にASFの正式プロジェクトに昇格し、現在はASFによって開発が進められています。
主な特徴
- マルチハイパーバイザーのサポート: VMware、KVM、Hyper-Vなどの複数のハイパーバイザーを包括的に管理できます。
- ネットワーク管理: CiscoのUCSやXenServerでのOpenFlow機能をサポートし、SDN(Software-Defined Networking)コントローラ部を取り込んでいます。
- ストレージ管理: プライマリーストレージとセカンダリーストレージを管理し、ストレージのライブマイグレーションやゾーンワイドストレージをサポートしています。
- マルチテナント機能: 一つのクラウドを複数のテナントに分けて使用可能で、ドメインとアカウント、ユーザーの概念を持ちます。
- セルフポータルサービス: UIが分かりやすく、初期設定ができれば簡単に仮想マシンを作成できます。
アーキテクチャ
CloudStackのアーキテクチャは比較的シンプルで、一つの管理サーバー上でマネジメントプロセスが動作します。最小単位は「Cluster」で、Clusterをまとめたものが「Pod」、さらにPodを束ねたものが「Zone」となります。Regionという概念も導入されており、高可用性を実現しています。
利用メリット
柔軟なリソース管理: 仮想マシンのネットワークやストレージなどの設定を自動化できます。
スケーラビリティ: 地理的に離れた複数のデータセンターのハイパーバイザーを管理可能で、短期間でパブリッククラウドを構築できます。
最新バージョンと開発状況
最新バージョンでは、バグフィックスや新機能の追加が行われており、例えばルートディスクの容量変更やVMware DRSへの対応などが含まれています。また、LTS(Long Term Support)バージョンも提供されており、2年間のバグとセキュリティの修正を受けています